日々のこと

身だしなみ

今日は会社に行ったらあれとこれを…と、仕事があるから、顔を洗い、メイクをし、着替えて出かける。

人と会う約束があるから、身だしなみに気をつける。

どこにも行く予定がなかったら、誰にも会う予定がなかったら、はてさてどんなありさまやら。

昔、「窓際のトットちゃん」を読んだ時、トットちゃんのお祖母様の話が載っていて、とても印象に残っている。

トットちゃんが朝バタバタと起きてお祖母様の部屋に走り込むと、髪を綺麗に整え、和服をシャンと着て、長火鉢の前で静かに本を読んでいるお祖母様。そして一言「騒がしいのは嫌いです。」

お祖母様、なんてカッコイイ!!と思った。ピシッと身だしなみを整え、朝から読書。台所仕事からは引退なさっているので、朝ごはんを作りながらつまみ食い、なんてこともなく、食事時間が来るまでは、部屋で正座して静かに読書をなさっている。しかも前には長火鉢だ。

トットちゃんとの年齢的な関係から推察すると、どうも今の私とどっこいか、もしくは私より若いかもしれないお年頃。その凛とした姿勢が素敵。

出かけない、と決めた日は、ゆるいTシャツに、もっとゆる〜い紐パンツ、ノーメイク。長椅子にもたれ切ってダラダラコーヒーを飲んでいる。子や孫は遥か遠い愛知県なので、突然コンニチハをされることもない。なんて気楽だ。そして、テレビをつけておせんべいをパリパリやってると、まさにカウチポテトばあさん。

まずい。普段の姿勢がその人に現れる。チラッと頭の中に"身だしなみ"という言葉がよぎる。カッコイイ年の取り方をしたい気持ちと、やってることがズレている。

メイクして、着替えて…といっても紐パンよりは多少マシなジーンズだけど、ちょっとシフトを切り替えられた。ヤレヤレ。

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