つれづれ

歌のちから

私の趣味は合唱。今の合唱団では、長い年月伝えられてきた、意味深い言葉と音楽が溶け合った美しさを再現していきます。声部のバランス、楽器とのバランス、とても深くて豊かな世界です。感情表現ももちろん大切です。でも、感情の"ほとばしり"は出せないなぁ。パワーを出し過ぎると、指揮者から待ったがかかります。でも、その都度作り上げていく時間をとても楽しんでいます。いつものそんな練習があった日の夜、NHKの18祭(フェス)[ALEXANDROS ]を見ました。

「自分だけのカッコイイを表現する」という動画募集に応募して選ばれた1,000人の18歳世代(17〜19歳)。

18歳世代は、まだ社会に踏み出していない人も多いし、やれることにも絶対的な自信があるわけではない。それでも「自分にはこれがある」「今これに向かっている」をアピールしている。動画審査用の画像で文字通り一所懸命向かっているその姿を見ただけで、こんなに熱中する物を持っている18歳がいる!と思えただけで、何だか嬉しい。

そして18祭のためにロックバンド[ALEXANDROS]が作った歌は「Philosophy」。(またこの言葉が素晴らしい!迷える18歳だけじゃない、この年になったおばさんにもビリビリ響きます。)

審査を経て選ばれた1,000人の若者達が集まり、最初は文字を読んでいるだけのようなコーラスが、練習を重ねる度に言葉に力が宿ります。

ターニングポイントは、自分の事を歌っている歌詞が、相手に対してのメッセージに変わった時でした。「近くの人と組んで相手に向かって歌って!」とコーラス指導のゆっきーさんが言った途端、相手に向けられた顔は笑顔になり、言葉は何倍ものエネルギーを放ったのです。すてき!

リハなし、1回しかない本番。数ヶ月前は人前で自分の意見を言うことすら苦手だった人も、1,000人のどの1人も、全員が全身で想いのたけを声にします。

1,000人が最初に声を出した瞬間のエネルギーは[ALEXANDROS]と一緒に音楽する緊張と喜び。すごい!でもこんなものじゃなかったのです。

段々感情が解放されて、歌詞が自分の感情そのものになっていく、1,000人の声、その圧力!!エネルギーが渦を巻いて天に登っていってる!!

何となくお行儀よく歌ってた私。言葉と身体が一体になって、なり振り構わず全てをぶつける素晴らしさに、50年前のもと18歳は、激しく心を揺さぶられました。

「Philosophy」 詞:川上洋平

何回やっても失敗してばっかで

「もーやーめた」って笑った

「自分はいいとここれくらいなんだな」

言いかけてまた笑った

そんなこんなで誤魔化してばっかで

感情を平均に保った

「最高」称賛して「最低」見下して

「普通」に身を隠した

大体の事は把握したつもりで

だけどどうしようもなく抗ってしまう

何もかもが光って妬ましく思う

あの夜僕はどうしても笑えずにいたんだよ

マイナスの感情はマイナスでしかないの?

僕は僕でしかない oh

yes I know I‘m right

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